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中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長
2025.07.09
政府は、中小企業者等の法人税に関する軽減税率の特例措置について、適用期限の延長および一部見直しを行いました。この措置は、中小企業の資金繰り負担を緩和し、財務基盤の強化を図ることを目的としています。
- 軽減税率の適用期限延長
中小企業者等の年間800万円以下の所得金額に対する法人税率は、従来の19%から15%に軽減される特例措置が講じられていました。この特例の適用期限が2年間延長され、令和9年(2027年)3月31日までに開始する事業年度まで適用されることとなりました。
- 高所得中小企業への税率見直し
極めて所得が高い中小企業等に対しては、以下の見直しが行われます:
- 年間所得金額が10億円を超える事業年度については、800万円以下の所得部分に適用される軽減税率が、現行の15%から17%に引き上げられます。
この見直しは、所得の多寡に応じた税負担の公平性を確保するための措置です。
- グループ通算制度適用法人の適用除外
グループ通算制度の適用を受けている法人は、今回の軽減税率の特例措置の適用対象から除外されることとなりました。これにより、グループ全体での税負担の公平性が図られます。
- 適用開始時期
これらの改正は、令和7年(2025年)4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
- 実務上の留意点
中小企業者等は、以下の点に留意する必要があります:
- 適用対象の確認:自社が軽減税率の適用対象となる中小法人に該当するか、またはグループ通算制度の適用を受けているかを確認する必要があります。
- 所得金額の把握:年間所得金額が10億円を超える場合、適用される税率が異なるため、正確な所得金額の把握が重要です。
これらの改正により、中小企業の税負担の適正化と財務基盤の強化が期待されます。各企業は、自社の状況に応じて適切な対応を検討することが求められます。