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|トピックス|相続不動産、登記変更忘れず 4月義務化で過料10万円も

相続不動産、登記変更忘れず 4月義務化で過料10万円も

2024.04.17

不動産を相続したときの登記手続きが4月1日以降、義務化されます。幾つかのケースに応じた対応が求められますので、注意が必要です。

1.相続登記とは
相続登記とは、被相続人(以下、亡くなった人)が所有していた不動産の名義を相続人の名義へ変更することをいいます。
不動産の所有者が誰なのかは法務局で管理されている登記簿(登記記録)に記録されていますが、不動産を相続した人は相続を原因とする所有権移転登記、いわゆる相続登記を申請する必要があります。
たとえば、亡くなった父親名義の不動産を長男が相続した場合、長男はその不動産の所在地を管轄する法務局に相続登記を申請して父親名義から自分の名義に変更する必要があります。

2.相続登記の義務化とは
相続登記の義務化には3つのポイントがあります。

①相続登記の義務化は2024年4月1日から開始
不動産を相続したことを知ったときから3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料
過去の相続分も義務化の対象となります

②3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料
施行後は、不動産を相続したことを知ったときから3年以内に相続登記を申請しなければならず、正当な理由なく期限内に登記をしなかった場合には10万円以下の過料が科せられることになります。

③「不動産を相続したことを知ったとき」とは、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日のことを指します。つまり、自身が相続人であることを認識していても、相続財産に不動産があることを知らなければ、登記義務は生じないことになります。

3.ケース毎の対応方法

ケース1 遺言書があった場合
遺言者が亡くなったことを知り、かつ、遺言によって自身が不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。

ケース2 遺産分割協議が成立した場合
遺産分割協議が成立した場合には、自身が相続人であることを知り、かつ、相続財産の中に不動産があることを知った日から3年以内に、分割協議の内容を踏まえた相続登記を申請しなければなりません。

ケース3 遺産分割協議が成立しなかった場合(法定相続の場合)
自身が相続人であることを知り、かつ、相続財産の中に不動産があることを知った日から3年以内に後述する相続人申告登記の申出(法定相続分による相続登記申請でも可)を行わなければなりません。その後に遺産分割協議が成立したら、その成立日から3年以内に、その内容を踏まえた相続登記の申請を行う必要があります。

・留意点
過去の相続分も義務化の対象となります
義務化の施行日(令和6年4月1日)以前に発生していた相続にも遡及して適用されます。つまり、過去に相続した相続登記未了の不動産も登記義務化の対象となります。

この場合には、施行日または不動産を相続したことを知ったときのいずれか遅い日から3年以内に申請する義務を負います。また正当な理由なく期限内に申請しなければ、10万円以下の過料が科せられます。

(ご参考)

法務省・相続登記の申請義務化特設ページ
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00590.html