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|トピックス|「遺産分割と小規模宅地等の特例」と保険の活用

「遺産分割と小規模宅地等の特例」と保険の活用

2023.08.12

「遺産分割と小規模宅地等の特例」と保険の活用

1.小規模宅地等の特例(措法69の4)は相続税申告実務では必須の特例という立ち位置となる重要な特例ですが、要件の1つに分割確定要件があります。
遺産分割を要件に求めるものである以上、遺産分割をまとめなければ要件が成立しません。一方で、遺産分割をまとめる調整弁になるのは最終的には資金が必要という事に行き付きます。
また、特定財産承継遺言があったとしても最終的には遺留分侵害額請求の対象となり資金で調整することが解決のベストチョイスになります。
民法上、遺産分割協議は遺産分割協議時点での時価評価に基づき行われることが原則です。(ここが大切です)

2.例えば・・・5億円で購入した都心の一棟マンションの相続税評価額(貸家+貸家建付地)が1億円であっても、遺産分割協議は時価5億円がベースとなります。
また、貸家建付地につき、小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)を適用させたとしても遺産分割協議は時価5億円をベースに行うことが必要となります。(購入時と相続発生時に時価は同じと想定した場合)

3.代表的なケースとしては、

・相続税評価額と時価が乖離しているケース
・小規模宅地等の特例を適用しているケース

では、遺産分割協議の原則となる時価と大きく乖離する可能性があります。その場合、小規模宅地等の特例適用にあたり遺産分割協議を成立するためには、少なくとも分割調整資金としての「代償金」の存在が必要になります。
その財源としては、受取人固有の財産である生命保険金(個人契約)を多いに活用すべきです。